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蔵元訪問記 〜その2〜 株式会社壱岐の華

長崎県の壱岐の島は玄海灘に浮かぶ周囲40kmほどの島である。
長崎県といってもアクセスは福岡港からでボーイング社製の高速船ジェットホイルビーナスで1時間ほどである。
麦焼酎発祥の地として知られ、470年以上の歴史を誇る島には焼酎メーカーは8社ほど、大分麦焼酎と異なり米麹を使うことが特徴である。
「いいちこ」でも「百年の孤独」でもほとんどが麦麹、麦が原料であり、米麹を使うことが即ち壱岐の島の伝統製法ともいえるものである。

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3本の矢に例えられるが男3兄弟による経営は磐石で製造を担当する長男長田嘉浩氏は昨年代表権を引き継いだ。
港から車で20分ほどで到着するが、そこは単なる1軒屋にしか見えない。
ショウルーム併設の工場で内部見学はすぐ裏手からスタートする。


名物の屋外タンクには「壱岐の華」の文字が入る

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原料の丸麦は輸入および国内産を使っており蔵の内部は蒸した麦の香ばしい香りが充満している。
押しつぶされたコーンフレークのような麦ではなく粒のまま蒸して仕込むため主原料として使われる麦の香りにも厚みがある。

壱岐の華では蒸留方法は常圧蒸留のみ。
常圧蒸留の製品しか作っていない。減圧蒸留主流のこの時勢にあって創業以来頑なに常圧蒸留にこだわってきた天然記念物的な焼酎蔵である。
杜氏の技術や手触りの感覚を現代に生かすため杜氏制を廃止し、代表自らが製造部長となって蔵を牽引する。

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ホーロータンク

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「尋ね鳥」などオーク樽で熟成されるものの中には加水低温貯蔵という形で水を加えて貯蔵されるものがある。
焼酎の規定上、琥珀色が一定以上濃いものは規定違反になるためできるだけ長期貯蔵するために水を加えている。 新樽に半年も寝かせれば色は十分琥珀色といえるレベルになる。
「尋ね鳥」のように本当に5年以上寝かすものは水を加えるしか手がないのである。 原酒が常圧蒸留だからこそ、5年から8年貯蔵してもしっかりと焼酎らしさが残り、樽香だけを着せたウィスキーの出来損ないのようなものにはならない。
スコッチウィスキーがピート(泥炭)と麦芽から生まれた蒸留酒だとすれば、例え同じように原酒をフランス製のオーク樽に寝かせたとしてもその味わいは異なるはずである。
麦から作られた蒸留酒として日本のオリジナル性を主張するとすれば、単式蒸留で米麹を使っているということが特異点となる。
加えて低アルコールで熟成させるということが味わいや色合いに決定的な違いをもたらす。

蔵元訪問記 〜その2〜 株式会社壱岐の華 おわり
 
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